皮膚科医も持つべき産業医視点
研修医の時に産業医の集中講座で産業医の資格を取ったので持っているのですが。
皮膚科だからか持っている人は周りにほとんどおらず、持っている人も意味がないと思っている人ばかりという印象です。
実際他人のカルテをみても職業歴をきちんとカルテに書いている人を残念ながら見たことがありません。
皮膚科なんだから皮膚だけ見ればいいだろうという先生も患者さんもいると思います。
確かに皮膚疾患の診断および治療ができれば問題ないのかもしれません。
しかし本日このような症例がありました(特定を避けるために一部ボカして書きます)
以前に皮脂欠乏性湿疹で通院歴ある方
普段から市販の抗ヒスタミン薬を内服している
運転中に気を失いガソリンスタンドに突っ込んだが大事には至らず
失神の精査を受けたが異常なしと言われた
その後も抗ヒスタミン薬の内服は続けていたがふと副作用が気になったためアレルギーかどうか判断して欲しいとのことで受診
受診時には皮疹もそうよう感もなく抗ヒスタミン薬も飲み続けていても特に何もないとのこと
おそらく普通の皮膚科医ならアレルギーではないのでご安心くださいで終わるのではないかと思います。
しかし、産業医の資格+過去に皮膚総合診療科と謳われた私は違います。
ここでお仕事は最近どうですか?
と聞きました。
案の定、ハードワークが続いているとのことでした。
今回の症状はその抗ヒスタミン薬は第2世代ではあるもののやはり傾眠の一助になった可能性があるので変更にしました。
50人未満の企業なので産業医もいないため相談相手もいなかったかつ監督する人もいない状態とのことです。
50人以上の企業ならここで産業医が登場していろいろ管理してくれるのでしょうが確かに50人未満の企業の作業環境管理やメンタルヘルスなどは手付かずのところが多いのかもしれないと思いました。